素材から縫製まで"すべて日本製"にこだわり開発された日本人のためのサポーター

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Developer's Interview


開発者インタビュー

すべてはここから始まった

薄さとパワーの機能性素材「FINEX®」に出会うまで


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Q1. 「皮膚感覚サポーター」商品開発のきっかけは何ですか?


弊社は長年サポーター製造の実績はあったんですが、十数年前まではOEMがほとんどでした。今はサポーターというと、スポーツやウォーキングをする方が気軽に使用するもので、色や柄も様々な種類がありますが、その頃のサポーターの色は医療用の白がほとんど。固定することが目的の、素材も分厚いものでした。

でも、高齢化社会が進みアクティブシニアが増加して、サポーターに求められるニーズもだんだん変わって来ていたんですね。2009年頃に、大手スポーツ用品チェーンのトップバイヤーさんに弊社のひざサポーターをセールスした弊社営業担当が、「もっと薄くて機能性のあるひざサポーター持ってきてよ」と言われてしまって。でも当時、薄くて、サポート力があるひざサポーターはまだありませんでした。

じゃあ自社で作れないか?
でも今ある生地ではそういうものは作れない。
じゃあ生地から作るしかない!って。今思えばそれがターニングポイントだったと思います。

 

Q2. サポーターを作るために、生地から開発されたそうですね。


私たちが「薄くてサポート力のあるサポーターを作りたい」と思っても、当時は思うような生地は市場にありませんでした。

薄いのに一枚でサポーターにちょうど良いパワーがある、そんな生地ができないか・・・・。
自分たちだけでは生地の開発は無理なので、思い切って旭化成系の業者さんに相談したんです。
正直大手とは言えない弊社だけのためにそんな開発をしていただくのは難しいかなと思ったんですが、「こういうことがやりたい!こういうものが欲しい!」と、とにかく必死で思いを伝えました。

ラッキーなことに、実は同じ頃に大手下着メーカーさんも薄くてパワーのある素材を求めていらして。相手は「インナーウェア」、うちは「サポーター」でバッティングしないということで、薄くてパワーのある素材を開発してもらえることになったんです。

 

Q3. FINEX®の開発で一番苦労されたことは何ですか?


やはり、サポーターとして十分なパワーと、肌触りを両立した、まさに「皮膚感覚」のフィット感を作り上げることでしょうか。

実はFINEX(ファイネックス)®というのは糸の名前で、いろいろな太さや厚さの糸があるんです。サポーターとして使える「薄くて」、「ちょうどよいパワー感」を出すには本当に時間がかかりました。

生地サンプルが上がって、試着して、「もうちょっとパワー出してください」とか、何度も何度も修正してもらって、開発し始めて2年で、ようやく「これだ!」というパワー感のFINEX®が出来上がったんです。

今では弊社のメイン素材として定着してきて、「皮膚感覚 腰 naossサポーター」などにも使用されています。FINEX®という素材をここまで作り上げてきたことが、私たち企画開発部にとってかなり大きな自信になっています。

今だから話せる

「皮膚感覚ひざサポーターaruko(アルコー)」ができるまで


Q1.  皮膚感覚シリーズでは、まず「ひざサポーター」を開発されたそうですね。


FINEX®に出会う以前のひざサポーターは、固定するのが目的の分厚いものか、生地の肌触りのよさを求めると、別のサポート力のある部材を貼り合わせるしかありませんでした。

実は・・・弊社のテレビ通販デビューは、生地の間にゴムを挟んだ、ウエットスーツを薄くしたような生地のひざサポーターだったんです。放送後即完売して、「すごい!」って喜んでたら、そのうちじゃんじゃん電話がかかってきて、返品の山!

返品の理由は「通気性がない」、「サイズがきつい、伸びない」、「ゴムアレルギーが出た」等々・・・。でも、こんなにたくさんの人がひざに悩みを抱えているんだとわかって、絶対いい商品を作らなきゃって思ったんです。FINEX®に出会って、たくさんの人に喜ばれるひざサポーターを開発しようと思いました。

Q2.  ひざサポーターの開発で苦労されたことはありますか?


それまでの「痛いから着ける、見た目は二の次」から、「アクティブに楽しむ、着けても目立たない」サポーターが求められるようになっていたんです。

長寿社会が当たり前になり、趣味や様々な活動を楽しみたいアクティブシニアが必要としているのは、生き生きと自立した生活をサポートしてくれるもの。従来タイプのサポーターでは、固定はされるものの動きが制限されて、思うように活動できない。さらには動かないために自分の筋肉を使わなくなってしまう恐れもあります。

ひざの痛みをサポートしながら、かつ動きやすくなくてはならないと、従来とはまったく違う「動きやすさ」を追求しなくてはなりませんでした。程よいサポート力、通気性等の機能は確保しながら、男性、女性問わず受け入れられるデザインを兼ね備えた設計を考えるのが、やはり大変でした。おかげで、着けてカッコイイ、スポーツマインドのあるひざサポーターになったのではないかと自負しています。

余談なんですが、FINEX®はすごい素材なだけに、値段が少々お高い。こだわりとコストをどこに着地させるかも私たちの仕事ですが、コスト管理はやっぱり苦労しましたね(笑)。

Q3.  皮膚感覚ひざサポーターのこだわりを教えてください。


「皮膚感覚」という名前は、とにかくフィット感にこだわった私たちの自信の表れなんです。

前面はFINEX®の特性を生かし、動きやすく、通気性もよく、さらに両サイドは五層構造の合成ゴム素材Ti-αで挟み込んでブレにくく設計してありますが、とにかくフィット感にこだわりました。伸縮性があり足が延ばしやすいとサポーターは下がりやすいんですが、ずり下がりを防ぐため本体の後ろ側を高くするなど、度重なるテストで現在の形状にたどりつきました。(国内特許取得済)

私も相当履きました(笑)。ひざが痛い人だけでなく、ひざを気にせずにウォーキングやスポーツを楽しみたい方など、幅広い方に使って欲しくて、商品名も「aruko(アルコー)」にしました。

このひざサポーターで、男性にも、女性にも、たくさんの人に歩く喜びを感じてほしい。筒状のシンプルなデザインに見えますが、私たちのこだわりが詰まった、オンリーワンのひざサポーターなんです。

私たちの自信作

「バックサポートベルトugoko」のスゴさを伝えたい!


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Q1. バックサポートベルト「ugoko」は、どんな商品ですか?


「皮膚感覚サポーター」シリーズで、FINEX®の素材としてのしなやかさ、フィット感を実感したので、ひざだけでなく、他の部位にもこのフィット感、サポート力を生かしたいと、開発を始めました。

3,000万人ともいわれる日本の腰痛人口ですが、今までのベルトはあくまで固定がメイン。もちろん、腰痛の状態によっては腰部をしっかり固定、保護するタイプのベルトが必要ですが、がっちり固定するタイプのベルトだと、固定はされるけれど、動きが制限されてしまうんです。

ひざサポーターaruko同様に、ugokoも、腰をしっかりサポートしながら、自分の筋肉を使う動きやすさを追求したベルトになっています。

Q2. 今までの腰ベルトにはない、ユニークな形ですね。


実は85%の腰痛が原因が特定できないんだそうです。

腰痛になると、痛いから安静にするという方は多いと思います。「痛み」という脳へのストレスがあると、痛いから腰を動かしたくない→自分の筋肉を使わない→ますます腰が痛くなるという悪循環。

「バックサポートベルトugoko」の丸いアプローチパットは、両手のひらを腰(骨盤のすぐ上あたり)に当てるという腰痛の対処法をイメージし、逆ハの字にパットを開発しました。

実はそのハの字も最初は逆に付けていたんですが、上下も蛇腹でなく普通のベルトだったりしたんですが、何度もモニターテストなど繰り返し、約一年かかって現在のユニークな形にたどり着きました。

Q3. こだわりポイントを教えてください。


もうお話しきれないぐらいのこだわりポイントがあるんですが(笑)。

「蛇腹」はこだわりですね。男女兼用の商品ですし、様々な体形の方の腰にフィットするように、フラットなパットを蛇腹に加工しています。一言で「蛇腹」と言っても、一般の蛇腹では溝が深すぎるので、溝を縦にしたり、横にしたり、深さを変えたり。蛇腹の凹凸が刺激になるよう、最適な縦スリット溝の型を作って、オリジナルの蛇腹を開発しました。

また通常のベルトは、ベースの上に補助ベルトを締めるのですが、ugokoは補助ベルトを内側に付けることで、一回締めるだけで補助ベルトの効果を得られます。この構造、特許申請中なんです。実際に使用する方は気付いていないと思うんですが、実はベルト本体が伸びて、腰全体をしっかりサポートできるんですね。

その他にも動きやすくずれないカッティングなど、もうすべてがこだわりで。弊社の営業チームにこのこだわりをすべて理解してもらうのも難しいぐらい(笑)。ぜひ腰に悩む方に実際に身に着けていただきたいです!

私たちが作ってます

丸光産業ってこんなところ


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Q1. どんなところが、丸光産業の特徴だと思いますか?


社長との距離が近いんです(笑)。だから、やりたい気持ちが伝われば、何でもできます。ただし、その分自分でなんでもやらないといけない(笑)。

特に企画開発部は、他の縫製メーカーやアパレルに比べると特殊な分野なので、パターン、筋肉の構造、デザイン等等、幅広い知識が必要になります。他の会社では企画とデザインは分業になっていることが多いと思うんですが、弊社は企画開発部が何でもやります(笑)。

自分でパターンを起こして作って、自分たちや社内で試着し、最終的には工場で製造、原価計算もします。素材メーカーとの交渉をするのも私たち。「開発だけしてればいい」っていう会社じゃないので、大変ですけど、みんなで作っている実感がある。それを楽しめるスタッフが多いと思います。

Q2. 丸光産業の強みは何でしょう。


私たちは「三位一体」って言っているんですけど、弊社は「営業、企画、工場」をすべて社内で、しかも国内で行っています。

実はそういう会社って少なくて、企画から製造までのすべてのプロセスを一貫体制で行えるので、「こんな商品が作りたい!」と思ったら、自分たちで完結できる。フットワークの良さは強みだと思います。

製造もすべて国内工場で行うので、縫製等の品質にも自信があります。介護サービス事業や整骨院事業も行っているので、いろいろな年齢層、体形の方にアンケートを取ったりすることもできるんですよ。

Q3. これから丸光産業が目指すものは?


弊社は創業60年を超えるのですが、OEMが主要業務で、自社製品の販売はごく最近始めたばかりです。arukoをはじめとする自社製品の開発・販売を始めて、オンラインショップにも力を入れるようになり、その頃からお客様からの問い合わせがすごく増えました。

お客様に喜ばれる自社製品を作ると、派生してOEMにも広がっていくので、自社製品とOEMを両輪として、健康寿命を延ばすための商品開発をしていきたいと思います。

「皮膚感覚」にこだわる

商品開発の舞台裏


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Q1. 新商品はどなたが企画しているんですか?


実は去年から新製品開発会議というのが始まりまして、各々新商品のアイデアをプレゼンするんです。

最近では熱中症対策をやりたいということで、「hiyaso」が商品化されました。あ、これもネーミングはアルファベット押しですね(笑)。あれも、企画から、試作から、暑い中で何時間も保冷時間のテストもして、しかもパッケージのモデルにもなって(笑)。私たちけっこうモデルもやってます(笑)。

なかなかお金もかけられない中で、新しいものもやらなきゃいけない。他の案件も抱えているなかで、月1の新製品開発会議なので、新製品開発はけっこうしんどいです。

Q2. 商品名はどなたが決めているんですか?


企画開発部で決めることもありますし、社内公募したこともあります。商品名が採用されても、何も特典はないんですけど(笑)。

Q3. 今後の商品開発について教えてください。


健康づくりに役立ち、健康寿命を延ばすことができる商品を開発できればと思います。

お客様アンケートやモニターからは、今のサポーターやベルトに何が足りないか? 開発側とユーザーのギャップがけっこうわかります。例えば、ご高齢の女性は、こちらが思っている以上に力がないとか。腕の筋肉が衰えて、ペットボトルが開けにくくなる。つまんで引っ張る、その動作が難しいので、サポートベルトをもっと軽い力で締められるよう改善したりしています。腰、ひざなどサポーターやベルトでケアできる部位はほぼ決まっているので、そこに今のニーズをどうマッチさせるかですね。

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