Sewer's Voice
技術者の思い
Sewing Machines
どのようなミシンがありますか?
ミシンの種類は10種類程で、約150台あります。ミシンの種類により、得意分野・不得意分、扱い方など、特長が異なります。製品の特性によって適切なミシンは違いますし、同じサポーターの中でも、箇所によってミシンを替えて縫製します。
例えば、フラットシーマというミシンは、針4本糸6本使用する特殊ミシンですが、2枚の生地を平らに縫製することができるという特性があり、縫い目にゴロツキ感が少ないため、肌へのストレスが少なくなくなります。
2011年から販売をしている「皮膚感覚サポーターシリーズ」では、このミシンを使用したことで、肌へのストレスが軽減され、「着けていない、着け心地」という新たなコンセプトのサポーターを開発できました。
Maintenance
ミシンのメンテナンスについて教えてください
ミシンの調整には、紙1枚より薄い間隔での調整が必要となり、人一倍気を遣います。
同じメーカー、同じ型番でも全く同じものは無く、まるで生き物のように個体ごとに個性や癖があるため、同じ調整方法で通用できません。日々きちんと扱わないと機嫌を損ね、ここぞという時に上手く動いてくれないこともあります。
しかし、それほど気を付けて扱っていても、故障するときもあります。そんな時、頭を悩ませるのが、故障原因です。ミシンには数多くの故障要因があり、長年培ってきた経験があることはもちろんですが、最後は絶対にあきらめない、絶対このミシンを直してみせるという気持ちが大切だと感じています。不思議とその気持ちがミシンに伝わっているような気がします。
The Policy
仕事で心かけていることや、試作時に注意している点はありますか?
仕事に従事しているとき
使用するお客様が安心して使用することができ、購入時のお望みを叶えられるように、最大限の品質を目指します。使う方が気持ちよく使っていただけるように全ての技術を集結します。「症状が改善された」というお客様のお声を聴いたりすると、とてもうれしく、誇りに思います。
同じようなミシンを持つ縫製工場はたくさんあっても、その中にいる技術者の技術力、製品を思う気持ちに違いがあれば、結果は違うと思います。ですから、私たちは、丸光を選んでで下さったお客様のために、丸光でしかできない技術を常に追い求め、ご希望に応えたい。と常々思っております。これは、社長以下社員一同同じ思いです。
試作をするとき
企画から設計図が上がり、実際に縫製した後「デザインレビュー」を行います。デザインレビューとは、企画→設計→試作→量産先行といったプロセスで、ポイント毎に企画、開発、設計、製造、品質、購買などの関係部門が、その部門で満たすべき項目をそれぞれの観点から評価し、基準を達成していることを確認してから、次のステップに進む方法です。
実際の試作をしてみると、企画段階では予測できなかった工程が追加する事もあり、予測時間と実際の作業時間に隔たりを生じることがあります。その時は、再度仕様書・製造工程数を見直し、作業の効率化改善による人員配置の変更などより、設定通りになるよう工場・企画一丸となり進めて行きます。このように難しい案件があれば、自分たちの作業フローなどをとことん見直さなければなりません。大変ではありますが、この見直し、変革を通して、私たちの技術も向上していくものと信じています。
企画から縫製までの一貫体制だからこそ、さまざまな試作を繰り返して、より良い製品を作ることができます。これは自社工場がある丸光の強みだと思います。
The Future
今後の展望はありますか?
ミシンなどの機器類は、技術革新が目覚ましく、今後もますます進化していくと思われます。その中において、進化の波に乗り遅れること無く、情報を収集し、これまでの取得した技術だけにとらわれること無く、新たな技術を積極的に取り入れることで、新たなサポーターの開発に貢献していきたいと思います。
ミシンの調整などは現在、限られた技術者にしかできません。その技術を次世代の者へと引き継ぐ事も必要とであると考えています。ひとりの中にある技術を次世代の技術者に継承していくことで、綿々と技術が受け継がれ、その技術は、さまざまな技術者の中で育ち、発展していくと思いますので、丁寧に確実に継承していきたいです。
それが私の使命であると思います。